9月25日、『草野心平研究資料集』第2回配本が発売になりました。

今回は心平の詩、小説、評論、心平論、心平研究など17点を「初出形」で復刻。晩年を知る新聞記事、年報、断簡零墨に至る原稿、書簡など貴重な資料満載。新発見資料は必見。詳しくはホームページの新刊欄をご覧ください。
http://www.crosscull.com/smp/book/b680158.html

【編集メモ】

・心平は嶺南大学留学時代の4年間(1921年~1925年)と汪兆銘政権時代の6年間(1946年~1946年)の計10年間を中国で過ごしています。『草野心平研究資料集』第2回配本ではこの中国時代のことに触れた論文などが「初出形」で掲載されています。これがこの第2回配本の特徴です。その中で中国人の少壮気鋭の研究者の裵亮氏ことについて少し触れたい。思えばパンデミック少し前
、中国人若手研究者ネットワークを駆使して中国の大学の研究者の中に心平研究者がいるとの情報を取得しました。偶然にも東京大学に留学していることをキャッチ、早速コンタクトを取り付け来社して頂きました。育ちの良さそうなとても理知的な研究者で心平に関する論文があると教えて頂きました。2回目来社のときに編集・解題者の澤正宏(福島大学名誉教授)先生に紹介、早速編集・解題者の澤先生の一言で彼の書籍も「初出形」で掲載しようということになりました。そしてそのときに裵亮氏本人から掲載許可も頂きました。内容的にも丁寧に書かれていて、文学運動も含めた嶺南大学時代の心平の動向が判るものが少ない中で画期的なものでした。掲載にあたっては裵亮氏の意向で文献が豊富に載っている論文を採用しました。中国の地元で パンデミックが起きていることを知らなかった彼は、その後に東大での研究を終え中国に帰国しました。名刺を頂いていたので連絡は取れるはずでした。が、彼の務めている大学の研究室にメールを入れても中国語の自動返信はあるものの本人からの返信がありませんでした。何度もコンタクトを取りましたが自動返信のメールが届くのみでした。3年前、【文学・言語研究シリーズ4】として『草野心平研究資料集』第1回配本を刊行しました。そこで一昨年でしたか、事情を伝えて知人の中国人研究者に裵亮氏に連絡を取りたい旨依頼しました。すると大学で副部長をしていることが判り、メールでコンタクトを取ろうとしましたがまたしても不通でした。そうこうしているうちに心平資料集の第2回配本の準備に取りかかり、念のため転載許可の再度確認の必要性を感じ、裵亮氏にコンタクトを取ろうと、今度は国際電話に切り替えて試してみたところ、何と2回目に裵亮氏本人から日本語で返答がありました。元気そうな優しい声は遠く異国の地とは思えないほど身近に感じました。彼とは転載許可の件も再確認ができ、新たな書籍出版の件についても話すことができました。すでに諦めかけていた矢先の想定外の展開に「やった」と膝を打ちました。編集・解題者の澤正宏先生に電話を入れたことはいうまでもありません。こうして掲載が叶った裵亮氏論文「中国・5.4時期“嶺南”文学の研究―文学研究会広州分会および日本人留学生草野心平を中心に」ですが、第2回配本の第4巻に220頁以上にわたって収められています。一度お読み頂きたい注目の論文です(この論文はその後一冊にまとめられて書籍化されています)。


『草野心平研究資料集』第2回配本の内容見本から抜粋。

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