新新新・社長の昼めし No.3 西 神田 I-Kousha Burger

No.2   ハンバーガー 1485円 ★★

今日7月11日開店したハンバーガー店『I-Kousha Burger 』の名前の由来は、店内に入ってすぐ前のプレートに英文と当時の牛乳店の様子が一目で分かる写真が飾られ、すぐ下にはこの牛乳店の名前『愛光舎牛乳店』の文字が住所や電話番号と共にありました。これがこの店の関係者が三崎町で営んでいたところのようです。筆者の田舎でも明治10年代に詩人草野心平の親戚が設立した『牧羊舎』や筆者の実家も戦後ある時期(昭和20年代~昭和30年代)牛乳店を営んでいました。それで“I-Kousha ”とははじめは何かの捩りかしらと考えていたところ、このプレートを見て合点がいきました。記号から意味へ繋がりました。家業の業態は変容しましたが、諺にある通り「温故知新」の精神でビジネスに励みますとのメッセージと読み解きました。いきなり“dairying business”(酪農業)が出てきたのには驚かされましたが、作家の芥川龍之介の父も日本橋で牛乳店を営んでいたようです。

さて、この店で提供されたハンバーガー(1485円!)の味は?トレーの左側にパンの上にのったレタスやトマト、右側には牛肉100%触れ込みのパテが2つ別れておかれ、はてどうして食べれば良いか一瞬戸惑いながらも、心のなかではえぃっと叫んで牛肉のパテを左側にのせ、紙の袋に入れて頬張りました。牛肉の旨味の舌ざわりと深み、トマトの酸味、ピクルスの独特な味、新鮮なレタスなどがミックスされて味わい深い触感が楽しめました。意外だったのは洗練されたポテトチップスが旨かったことです。パリパリしっとりのミックスチャーです。しかし、タレがなく、卓上におかれたケチャップや塩、胡椒で味付けするサッパリしたハンバーガーです。パンもいたってシンプルです。開店した店でハンバーガーの奥深さを味わいました。実は筆者、ハンバーガーはあまり食べない派ですので良い体験でした。しかし、値段が高いのとキャシュオンリーが気になります。店内にはアメリカのカントリーミュージックが流れ、レイアウトもユニーク、19席は満席状態で若い人たちに混じって年配者の女性もちらほら。神保町界隈には蕎麦屋、うどん屋、カレー店、餃子屋、ラーメン店など多様な食文化が根づいてますが、ここに新たな洋風ファストフッドの風が吹くのでしょうか。急いで付け加えると、この店があった三崎町1丁目には『ブリスク スタンド』なるこれまたハンバーガー店がオープンを控えているようです。
実はここから5分ほど歩いた猿楽町にはベーコンエッグハンバーガーの美味しい店もあります。

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